逗子 三浦半島地域での地質と地震

逗子市文化教育ゾーン地域における調査結果を例として

蟹江康光(あーすコンサル)

 これは,第6回ずし環境ウイークス(2004年6月26日)における講演内容の報告です。2003年には,おもに津波について報告しましたが,ここでは沖積層での地震動と地盤液状化について記録します。スライドは28枚あります。


バイブロサイズ法は,道路脇50 m間隔に地震計設け,移動する起振自動車によって人工地震波を起こし,コンピュータ処理して地下構造を調べる調査方法です。この調査によって,武山断層・北武断層・衣笠断層は地下約2 kmまで,ともに北へ傾斜する断層で,それぞれ似た構造をもつので,三浦半島北部断層群と呼ばれるようになりました。


三浦半島北部断層群と衣笠断層・北武断層・武山断層の活動様式を比較しました。それによって予想される地震の規模も異なります。


陸上でのバイブロサイズ調査に加えて,相模灘北部と東京内湾を調査船によるエアガンによって海底下の地下構造を深さ約30 kmまで明らかにできました。三浦半島北部断層群は,地下約6 kmまで追跡されました。

報告書の目次です。詳しくはhttp://www.eri.u-tokyo.ac.jp/daidai/h15seika-hokokusho/contents_H15.htmlにあります。


逗子市の沖積層と地震について報告します。



相模湾の海岸に近く,厚い沖積堆積物がある地域で,地盤は地震動に敏感で,津波にも注意が必要です。



沖積層と地震動について,逗子市の報告書(1995年)から引用しました。


逗子市における地震被害想定の基礎としている震源域を示します。


三浦半島は,三方向を海に囲まれているので,相模湾に面する逗子市では,つねに津波の被害を想定しなければなりません。相模湾を震源とした地震の直後では,津波の高さが5 mに達したこともあり,10分以内に来襲されたこともあるので,マンションなど高台や丈夫な建物への避難ができるように避難場所を調べておく必要があります。  



昭和45(1970)以降に建てられた家屋の大部分では耐震性をもっていますが,それ以前の木造家屋の耐震性は弱く,倒壊による圧死者を出さないためにも,耐震性をもつ建物への補強が必要です。



作成2004年7月6日

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